第7回 天然素材のススメ
冷えとりにおススメの天然素材は?衣類でこだわりたい天然素材についてご紹介。
衣類でこだわりたいのが素材。どんな素材をどう身につけるかは体への影響が大きく、基本的には天然素材がおすすめです!今回はその天然素材についてお話しましょう。
冷えとりにオススメ!の天然素材とは?
ひと口に天然素材といっても、素材によって特徴が異なりますので、季節や用途に応じて使い分けるといいでしょう。シルク(絹)は肌触りがよく、放湿性に優れているため、季節を問わず直接肌につけるのに向いていますし、ウール(毛)は空気の層を作って保温性に優れているため、冬場の冷え症さんにおすすめの素材です。
代表的な4つの天然素材の特徴をご紹介します!
綿は吸水性と保温性に優れていますが、放湿性はやや低め。汗をかいたときに、汗や老廃物を吸収してくれるので下着に最適ですが、乾きにくいためそのままにしていると冷えてしまいます。たくさん汗をかいた時は、早目に着替えるようにしましょう。
シルク(絹)は保温性、吸湿性、放湿性のバランスがよく、汗をかいてもさらりとして冷えにくいのが特徴です。人間の肌に近いタンパク質で肌触りがよく、肌に直接触れるインナーとして最適です。
麻はシャリ感があって肌に張りつかず、織の密度によって通気性と速乾性に優れているのが特徴。麻にもいろいろな種類がありますが、直接身につけるなら肌に優しいリネンがおすすめです。暑い夏に最適な素材です。
最後にウール(毛)は繊維間に空気をたっぷりと含むため、保温性に優れています。吸湿性と放湿性が高いので、汗をかいてもむれにくいのが特徴ですが、通気性が高いため、冬の屋外などでは風を通さないコートなどの内側に着るのがおススメです。
現在は様々な機能を持った新素材が開発されていますが、下着やインナーは綿やシルクを使うなど、それぞれの特徴を生かして選ぶと良いでしょう。
渡邉 賀子(わたなべ かこ)先生
1987年久留米大学医学部卒業。1997年北里研究所にて日本初の「冷え症外来」を開設し、多くの女性が抱える悩みである冷え症の診断と治療にあたってきた。より健康で美しい女性の一生をサポートするために、2003年より慶應大学病院にて診療・研究活動を続けながら、2004年に麻布ミューズクリニックを開院。現在は実家の帯山中央病院院長として熊本に在住し、麻布ミューズクリニックでも診療を行っている。『冷え症で悩む人に』(NHK出版)、『きれい&元気になる冷え症解消法』(池田書店)など著書多数。