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梅雨時のセルフケア 梅雨の「重だるさ」と更年期症状。意外な関係性とは

梅雨時、気圧や湿度の影響は更年期世代の心身にのしかかる

ジメジメした空気やぐずついたお天気が続く梅雨時。その「高温多湿」と「気温が大きく変化する寒暖差」によって、心と身体に大きな負担がかかりやすい季節です。
この時期、「体が重い」「やる気が出ない」「なんとなく気分が落ち込む」といった感じがする女性も多いかもしれません。

なぜこんなことが起こるのか。梅雨の気象メカニズムをちょっと紐解いてみましょう。
この時期、オホーツク海からくる冷たい高気圧と、南の太平洋からの暖かく湿った高気圧が、日本の上空でぶつかり合い、停滞して長雨を降らせます。この勢力争いによる激しい気圧の変化は、私たちの自律神経を直撃します。
通常、私たちの体は、活動を促す「交感神経」と、リラックスを促す「副交感神経」がシーソーのようにバランスを取っています。しかし、雨が近づき気圧が下がると、空気中の酸素濃度がわずかに低下し、体は強制的に副交感神経が優位な「お休みモード」に切り替わってしまいます。
これにより活動量が減り、血液の流れが悪くなることで、特有のだるさや眠気、うつ気分が引き起こされると考えることができます。

もともと更年期は、女性ホルモンが減ることで、体温や血圧の調整に関わる「自律神経」が乱れやすくなる時期です。なぜなら、女性ホルモンの産生を促す「性腺刺激ホルモン」と「自律神経系」は、どちらも脳の視床下部で指令を受けて働いています。そのため、女性ホルモンが減少すると自律神経にも乱れが起こり、めまいや動悸、冷え・のぼせなどの自律神経失調症状が現れやすくなります。

そこに梅雨特有の激しい気圧の変化が加わることで、だるさ、頭痛、むくみ、肩こり、不眠やイライラなど、さまざまな不調が「上乗せ」されて現れやすくなります。体力や活力のある人なら、大きな影響は出ませんが、更年期世代のように体力が低下しがちな時期は、いわば「体が梅雨に負けてしまう」状態になりやすいのです。

また、この時期のもう一つの敵が「湿度」です。湿度が高くなると、体は汗をスムーズにかきにくくなります。すると、本来排出されるべき余分な水分や老廃物が体内に滞り、血流をさらに悪化させます。
この状態を東洋医学では「湿邪(しつじゃ)」と呼び、さまざまな病気の原因になると考えられています。
体の中に余分な湿気が溜まることで、手足の末梢が冷えやすくなったり、消化不良や関節の痛みを招いたりします。「更年期の不調」と「梅雨の気候による不調」が重なって感じられるときこそ、我慢せず、毎日の生活でできるセルフケアを始めていきましょう。

梅雨時のだるさをどうケアすればいい?こんな持病のある人も要注意!

体がだるいとき、よく見かけるのは「冷たい飲み物でシャキッとさせる」「熱いシャワーを浴びる」「激辛料理を食べてガーッと汗をかく」といった強い刺激で元気を出そう、という提案です。
確かにこうした刺激は、一時的に交感神経のスイッチを入れているため、その場は快適な気分になれるかもしれません。でも、これはあくまで十分な体力がある人向けの「荒ワザ」です。
ホルモンバランスの変化でエネルギーを消耗しやすい更年期世代が、こんな方法をとっていると、しだいにエネルギーが枯渇し、かえって体の芯から「冷え体質」を作り出してしまいます。
むしろ、これから迎える本格的な夏に向けて、今おすすめしたいのは「無理をしないこと」と「体を温めめぐりをよくすること」なのです。

なお、更年期の不調に加えて頭痛や筋肉痛、鼻炎などのアレルギー症状がある人も、梅雨時は要注意。気圧や温度の変化が影響し、以下のような不調が怒りやすくなります。

【痛み】頭痛、関節痛、リウマチ
気圧が低くなると、体内で炎症に関わる「ヒスタミン」という物質が過剰に分泌されます。雨の降る前に頭痛や関節痛が出たり、古傷が痛んだりするのはこのためです。冷えも痛みに影響するので、入浴で体を温める習慣を大切にしましょう。
※ただし、脳の血管が拡張して起こる「片頭痛(ズキズキと激しく痛み、吐き気を伴うこともある)」の場合は、痛む箇所を冷やして血管を収縮させると楽になります。

【アレルギー】アトピー、鼻炎、ぜんそく
ヒスタミンの過剰分泌は、鼻水や鼻づまりなど鼻炎の症状も悪化させます。ヒスタミンは夜から朝方にかけて分泌が高まるため、特に朝方は鼻炎が起きやすく、寒暖差や気圧の変化により自律神経のバランスが崩れることでさらに起こりやすくなります。ぜんそく傾向のある方も寒暖差は大敵です。

盲点になりやすい「梅雨の脱水症」とホットフラッシュ対策

脱水症や熱中症のリスクは、体がまだ暑さに慣れていない、梅雨の時期から高まります。
ホットフラッシュで汗をかくことが日常化していると、つい、梅雨時期から夏にかけては「脱水症対策」より「汗対策」に意識が向きがちかもしれません。しかし、「水分をとると余計に汗をかくから」と考えるのは、大きな誤解です。
人間の体の約60%は、水分とされています。つまり、体重50kgの人なら約30リットルもの水が体内を巡っています。そのたった3%が失われると血液が濃くなって心臓への負担が増してしまいます。
「のどが渇いた(口が渇く)」感じた時点で、すでに体内の2%の水分が失われています。ホットフラッシュ対策を行いながら、この時期にはいつもよりしっかり水分をとりましょう。

ホットフラッシュ対策:熱を「こもらせない・ためない・小さくする」
急なほてりには、物理的に冷やす工夫が効果的です。太い静脈が体表近くを通っている「首筋」や「わきの下」を冷やすと、冷えた血液が体内を巡りやすくなります。
また、「手のひら」には体温調節に関わる特殊な血管が多く存在します。ここを冷やすことで深部体温を効率よく下げることができ、ほてりや発汗が落ち着きやすくなります。
外出時は冷感タオルや扇子などを持ち歩き、温度差によるつらさを小さくしましょう。

「冷やしすぎない」は基本。環境を整え夏を乗り切る賢いセルフケアを

冷たいものばかり飲んで胃腸を冷やすと、全身の冷えや体調悪化につながります。常温の飲み物をこまめに摂るなど、食べ物や飲み物で内臓を冷やしすぎないよう注意してください。
脱ぎきしやすい服装や靴下で手足を保護しつつ、エアコンを上手に活用しましょう。「冷やすのは体に悪い」と我慢しすぎるのは逆効果です。設定温度を工夫しつつ、直接風が当たらないようにして、冷えすぎない適温を保ちます。
ただでさえ、寝つきが悪く、夜中に目が覚めることも増える更年期。湿気で寝苦しい夜は、通気性の良い寝具やパジャマを選び、体がしっかり回復できる環境を優先しましょう。短くても深い睡眠をとることができれば、自律神経のバランスを整えるのに役立ってくれます。

体調の悪さと天気の悪さで、室内で過ごす時間が増えるかもしれません。家でも職場でも座りっぱなしを避け、階段を使ったりこまめに歩いたりして血行が促しましょう。

記事監修

公益社団法人女性の健康とメノポーズ協会は、1996年設立(2023年公益法人化)の、女性が健康で充実したライフキャリアを実現できる社会を目指す支援団体です。更年期などのヘルスケア教育、電話相談、企業向け「女性の健康経営」推進を柱に、女性の生涯にわたる健康課題に専門的な視点から取り組み、一人ひとりが本来の力を発揮できる環境づくりをサポートしています。

メグエル

更年期、のち、晴れ。

更年期の毎日が、晴れやかな時間になるように。

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