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婦人科との付き合い方
上手な受診のコツとタイミングとは

「最近、月経がいつ来るのかわからない」「出血量が増えている…?」
「なぜ、こんなにイライラするのかしら」

更年期にさしかかると、月経周期や出血量が変化したり、メンタル面の変化があったりと、これまでとは違う体の変化を感じることがあります。
「一度、婦人科専門医に相談した方がいいのかな…」と思いながらも、日々の忙しさの中で後回しになっていたり、「こんなことで受診して大丈夫?」と、ためらっている方も少なくないかもしれません。

ここでは、自分らしく前を向いて更年期を乗り越えるための「婦人科との上手な付き合い方」をご提案します。

「あちこち受診」の前に、まず婦人科を受診して

女性にとっての婦人科は、特別な病気や妊娠・出産のためだけにある診療科ではありません。
更年期にやってくる月経の乱れや、閉経というできごとは、女性に起こる「健康的な現象」の一つなのですが、誰もが初めて経験することだけに戸惑い、強い不安を感じます。

婦人科は、その不安を解消するために、まず受診すべき診療科です。
更年期にはさまざまな症状が起こりやすいため、中には「動悸がひどいので、循環器科に何度もかけこんだ」「頭がぼんやりするので脳神経外科を受診した」「関節痛で整形外科を受診」と、各科を回ってしまうケースがあります。症状の原因をつきとめることは大切なことですが、繰り返すと時間も診療費もかかってしまいます。
そこで、更年期に心身の変化を感じたら「まず婦人科を受診する」ということを考えてほしいのです。

といっても、「単なる月経不順だろう」と思っていた出血のかげに、子宮体がんなどの病気が隠れている場合があります。また、気持ちの落ち込みが長く続く場合はうつ病などの精神疾患の可能性がありますし、手指の痛みや腫れは関節リウマチ、動悸や息苦しさは狭心症などの循環器疾患の恐れもあります。

そこで、いま感じている不調が本当に「更年期症状・障害」なのかを調べるためには、いくつかの検査を行って他の病気の可能性を除外する必要があります。これを「鑑別診断」といって、婦人科の役割の一つです。

仕事や家庭のこと、子育て、地域での人間関係や趣味の活動など、やるべきことのたくさんある人ほど、健康に不安を感じたら一度は婦人科を受診し、「今の自分の状態」を相談しておきましょう。不調の重症化を防ぐだけでなく、将来的に医療にかかる時間や経費、精神的負担の削減にも大きく役立ってくれます。

「受診メモ」で、短い診察時間の中でも伝わる工夫を

多くの人が、医療現場で望むのは、「しっかり話を聞いてほしい」「ていねいに説明してほしい」という心の通ったコミュニケーションです。更年期の症状は、ホルモンの減少だけでなく、置かれている環境やストレスの受け止め方などが複雑に絡み合って起こるため、医師にもそれを理解してほしい…。

とはいえ、現在の保険診療体制の中では、一人の患者さんに長く時間を使うことは難しいものです。そこで重要になるのが「短い時間の中でうまく不調や不安を説明する」という工夫なのです。

まず、おすすめしたいのは、「受診メモ」の作成です。
診察室に入ると緊張して頭が真っ白になり、言いたいことが何も言えなかったということは、多くの人が経験します。
一方、言いたいことがあふれてきて話がまとまらなくなり、逆に大切なことが伝わらなくなることもあります。どちらのタイプであっても、「受診メモ」は、要点整理に役立つはずです。

【受診メモに整理しておきたい内容】
◎月経の状況(最終月経はいつ頃だったか)
◎今、一番気になっている症状は何か(いつ頃から始まったか)
◎その症状のために、具体的にどのようなことに困っているか
◎今、一番改善したいのはどんなことか
◎これまでの持病と家族歴
◎治療することで、これから先どのような生活を送りたいか

このように、希望や困りごとを自分で整理してメモにしておくと、医師もそれに沿った治療法を提案しやすくなります。初診のときの問診票の記入にも役立ちます。

なお、メモは医師に渡して読んでもらうのではなく、自分の手元に置き、できるだけ自分の口で伝えるようにしましょう。こうすることで、医師と顔を合わせながら対話する時間をより多く持つことができます。

「改善した点」も伝えるために「症状日誌」を簡単に

診察室では、つい体調の悪いところや気になるところばかり言ってしまいますが、治療が始まったら、調子が悪い部分だけでなく「前回の処方で良くなったところ」も、ぜひ伝えていきしょう。

「〇〇の症状がまだつらいです」
「△△の症状は、だいぶ良くなりました」

よいところもよくないところも、変化をセットで伝えることで、医師は患者の生活の全体をイメージできるようになります。すると、より的確な治療の見通しを立てられるようになります。

ここで役立つのが「症状日誌」です。普段使っている手帳でもいいし、おくすり手帳でもいいのです。「調子のよい日=〇」「不調の日=×」などの記号や、「頭痛」「食欲がない」「仕事でミスをした」などの簡単なコメントを残しておくだけでも十分です。
記録しておくと、これまで気づかなかった体調の波やストレスとの関連性が自分でも見えてきて、改善のきっかけになることがあります。

健康づくりの主役は「自分自身」

なお、婦人科の領域は広く、専門性もさまざまです。がん検診や手術などを中心に行う病院もあれば、更年期症状や月経不順、PMS(月経前症候群)など日常的な女性特有の悩みを得意とするクリニックもあります。
もしも、「出産や手術でお世話になった病院」で更年期医療を積極的に行っていなかったり、診療方針に納得がいかないときには、セカンドオピニオンとしての婦人科を求めるのも選択のひとつです。

また、口コミやインターネットの情報を参考に病院を探すのはよいですが、評判をうのみにするのはやめましょう。誰かにとっては効果のある治療でも、自分にとってよいかどうかを判断するのは自分自身です。
医師を信頼することと任せきりにすることは同じではありません。「お医者さんが治してくれる(言われた通りにしていればいい)」という受け身の考え方は手放し、「わたしの体を治すのは、私自身である」「婦人科は大切な相談相手」という意識を持ちましょう。

記事監修

公益社団法人女性の健康とメノポーズ協会は、1996年設立(2023年公益法人化)の、女性が健康で充実したライフキャリアを実現できる社会を目指す支援団体です。更年期などのヘルスケア教育、電話相談、企業向け「女性の健康経営」推進を柱に、女性の生涯にわたる健康課題に専門的な視点から取り組み、一人ひとりが本来の力を発揮できる環境づくりをサポートしています。

メグエル

更年期、のち、晴れ。

更年期の毎日が、晴れやかな時間になるように。

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