
ホットフラッシュ
(汗悩み・冷えのぼせなど)

「最近、月経の周期が読めなくなってきた」
「経血の量が増えて、外出が不安・・・」
40代半ばごろから、こうした変化を感じる女性が増えてきます。
女性にとって更年期は、10代で始まった月経が終わりを迎えるとき。その中心にあるのが「閉経」という現象です。具体的に、閉経はどんなふうに起こるのか。その「兆し」や注意点について少し詳しくみていきましょう。

閉経とは、卵巣の働きが徐々に低下し、ついには停止、月経が永久に起きなくなる状態を指します。医学的な定義では、「1年以上、一度も月経がない状態」を確認して、初めて「1年前に閉経した」と判定されるものです。
つまり、閉経とはリアルタイムで「今日、閉経しました」とわかるものではありません。1年間の空白期間を経て、あとから振り返って確認するものなのです。
他のページでも説明したように、更年期とは、だいたい閉経の前後5年間、合計10年間の期間を指すとされています。ということは、「そろそろ閉経に近づいているようだ」と兆候を受け止めておけたなら、「この症状は更年期のエストロゲン減少で起きているのかも」と、症状を理解するカギにもなっていくといえます。

一般的に、閉経とは「徐々に回数が減っていきついには終わる」というイメージを持っているかもしれません。実は、閉経への道のりはなかなか起伏に富んでいて、予測しにくい変化に惑わされることがとても多いのです。
頻発月経(周期が短くなる)
女性の月経周期は、約1か月の間で
卵胞期(排卵に向かいエストロゲンが上昇する期間)
→排卵期(排卵が行われる期間)
→黄体期(エストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)が変動する期間)
→月経期(受精・着床しなかった卵子が排出される期間)
がくりかえされていて、1周期は25~38日が正常とされています。
40代後半にさしかかり、最初に現れやすい変化は「周期の短縮」です。それまで毎月、27~28日で月経が来ていた人が、24日以下の周期になったり、月に2回月経が来たりするようになります。このようにしてたびたび起こる月経を「頻発月経」と呼びます。
なぜ、閉経に近づいて月経回数が逆に増えるのでしょうか。このことにも、更年期症状が起こる大きな要因である卵胞刺激ホルモン(FSH)の影響は及んでいます。
FSHの刺激が強すぎることによって、卵胞は十分に成熟しないままに排卵となり、その結果、無排卵月経も起きやすくなるとされています。
過多月経(経血量が増える)
閉経が近づくことにより、経血量は減るとは限りません。むしろ、卵巣機能の低下でホルモン分泌が不安定になるため、経血量が増える「過多月経」が起こりやすくなります。
周期の長期化(とびとびになる)
頻発月経や過多月経の時期を経て、次第に周期が空くようになります。2ヶ月に一度、3ヶ月に一度、半年に一度・・・と間隔が伸びていき、最終的に1年間来なくなった時点で「閉経」を迎えます。
それでも、まだまだ月経は気まぐれな状態が続きます。
「もう半年も生理がなかったので、安心感から温泉旅行に行ったら、その日に限って突然やってきた」という話は、更年期世代では珍しくありません。

・鉄欠乏性貧血
過多月経が続くことにより、想像していた以上に体内の血液が失われます。このため、貧血に陥ることがあります。「最近疲れやすい」「イライラする」「階段で息が切れる」といった症状を更年期症状、または加齢のせいと思い込んでいたら、実は深刻な鉄欠乏性貧血だった、というケースは非常に多いのです。
・背景に女性特有の病気
閉経前の女性ホルモンの変動は、子宮筋腫や子宮内膜症を悪化させたり、不正出血を引き起こしたりすることがあります。時期的に「もうすぐ閉経だから」と、様子見を行うこともあるのですが、もし仕事に影響しQOL(生活の質)を下げるような不調と感じたら、一度は婦人科を受診しましょう。
また、40代・50代・60代は婦人科がんのリスクも高まります。定期的な婦人科検診もかかさないでください。

閉経とは毎月来ていた月経が終わることですが、実際のところ、「いつ閉経したか」はわかりにくいところがほとんど。
そこで、更年期世代の皆さんに提案したいのは、閉経にむけたメモの習慣です。「2カ月に3回も来た」「3か月振りに来た」というように月経サイクルが乱れ始めたら、手帳にその日付をちょこっとメモしておいてください。
この時期、仕事に家事に子育てに親世代の介護にと、多くの皆さんが大変忙しいとき。周期が長くなればなるほど、「この間、月経が来たのはいつだっけ?」は忘れがちになります。
でも、この先、婦人科や更年期外来にかかるとき、そして女性のその先の健康維持のためにも「最終月経」を頭に入れておくことはけっこう役に立つのです。
スマートフォンのアプリやダイアリーを使うのでもいいでしょう。「○月○日~○日、量は多め」といった簡単な記録が、将来のあなたの健康サポートにつながります。
月経は、女性にとって重要な健康のバロメーターです。もし若い世代で、妊娠の心当たりがないのに月経が来ない、あるいは数ヶ月に一度しか来ないという場合は、更年期とは別の疾患が隠れている可能性があります。「来ない方が楽」と考えず、専門医に相談してください。
