通販カタログ・通信販売のベルメゾンネット

ママフル365コラム 記憶を繋ぐことで創る「親子の信頼関係」

記憶を繋ぐことで創る「親子の信頼関係」

夜は鈴虫の静かな合唱が聴こえるようになり、秋も深まってまいりました。少し季節は遡りますが、今年の夏もコロナ禍でまだ思い切り満喫するというわけにはいかなかったものの、状況を見つつ沢山の思い出作りをされたご家庭も多いと思います。秋は、夏休みの色々な体験を経て、子ども達が一回り成長した姿を見られる時期でもありますよね。そんな時期に、私たち大人が子どもの成長をどのように支えることができるかについて、お話ししたいと思います。

幼少期の記憶は「点」

子ども達が「昨日」「今日」「明日」など、時系列を認識できるようになるのは4~5歳頃からと言われています。それまでは、日々その瞬間を一生懸命楽しみ、成長するにつれ少しずつ過去の思い出を話したり、先のお約束を楽しみにしたり、徐々に時系列を認識できるようになっていきます。ただ、どうでしょう?皆さんはご自身が子どもの頃の記憶はいつ頃からお持ちですか?もしかすると、幼稚園頃からの方が多いかも知れませんね。そして、それは写真のような場面ですか?それとも誰かとの関わりでしょうか?大人になった今でも覚えていることは断片的で、本当はその時何が起きていたのか、なぜそんな言葉を覚えているのか、意外と分からないことが多いのではないかと思います。

「点」の記憶をリアルに繋ぐ

先日、成人した教え子に会ったのですが、今は立派な幼稚園の先生になっていました。彼女と話しながら当時のことを思い出し、とても大事なことに気がつきました。それは愛されて育った子は、自分が大きくなって他の人を愛することができる、つまり無意識に自分の幼少期と今が繋がっているということです。先ほどもお伝えした通り、幼少期の記憶ははっきりしないことが多いですから、その子がどんなことをよくしていて、どれだけ可愛かったか、それを見た大人がどれだけ嬉しかったか、つまりどれだけ沢山の人に愛されていたかをきちんと伝えてあげることが大切なのです。これは幼児から小学生、そして中学生、高校生と子ども達が成長していく過程では特に重要なことです。小さかった頃にどれだけ愛されていたかを感じることが、これから色々な経験を重ねて成長する中でとても大きな自信に繋がっていきます。そして、今の自分がその頃の自分と繋がっていることを感じ、自分を認め自尊心が育まれていくのです。

思い出を写真に変えて、宝物に

大人は子ども達が小さいうちに“新しい体験”をさせることに一生懸命になりがちですが、その経験を通じて本人が何を思ったか、私たち大人がどう感じたかをお互いに振り返りをすることで、その経験はより強く深く、その子の成長の肥やしになっていくのだと思います。振り返りのきっかけとして、日記でも絵でも何か目に見えるものが良いと思うのですが、私がお勧めしているのは『アルバム』です。今はデジタルが主流でなかなか写真を手に取って一緒に見るという機会が少なくなりましたが、是非アルバムをいつでも見られるリビングなどに置き、時にはその写真を一緒に見ながら、どれだけ可愛かったか、愛されていたかを伝えてあげてください。子ども達は少し恥ずかしそうに、でもとってもいい顔をしながら「私ってこうだったの?」「僕はそんなこと言っていたの?」など喜んで自分には記憶のない小さい頃の話に耳を傾けます。そんな時間の積み重ねが子ども達の自信に繋がるだけでなく、親も子どもの愛おしさを改めて思い出し、子育ての支えになるなど、お互いにとって良いことなのではないかと思っています。
幼児期の新しい経験の機会も大切ですが、是非振り返りの機会もつくってみてください。
きっといつか親子にとってそれが大事な宝物になるはずです。

山本 直美 山本 直美 プロフィール株式会社アイ・エス・シー 代表取締役/NPO法人子育て学協会 会長
日本女子大学大学院修士課程修了。
幼稚園教諭を経て、1995年株式会社アイ・エス・シーを設立。幼児教室や保育園運営を通じ25年以上保護者と子どもの育ち合いに携わっている。絵本を活用した独自の教育プログラム『WithBookプログラム』を、自社を中心とした各保育園にて展開し、子どもたちの「こころ」と「ことば」を育んでいる。また2008年設立のNPO法人子育て学協会にて、子育ての専門家『チャイルド・ファミリーコンサルタント(CFC)養成講座』や子育てのヒントを学べる『子育て学講座』等、各種講演・講座を開催している。

ママフル!コラム

育児のプロによる子育てハックや、園の先生による
便利グッズをご紹介!!

テーマから選ぶ
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE