ママフル365コラム 子どもと一緒に「変わる」を楽しむ
恵みの雨を経て、木々の緑がより色濃く感じられるようになり、強い日差しが照りつける季節がやってきました。まだまだ多くの制限がかかる状況ではありますが、そのような中でも、子どもたちのためにできることは何か?を考えながら、様々なイベントをオリジナルのスタイルで開催しているところも少なくありません。
なかなか先が見えにくい今ですが、毎日を元気いっぱい精いっぱい過ごしている子どもたちの姿に、学ぶことがたくさんある、そんな気がしています。今回は、子どもたちの姿から見える「変化」について考えてみたいと思います。
『変化が苦手な大人たち』
多くの大人は、日々の積み重ねにより、生活リズムや物事の進め方を習慣化しているのではないかと思います。こうした方が楽だとか、この方が早いなど、無意識のうちに自分に合った方法を選びルーチン化しているのでしょう。私は、幼児期の子どもたちに大切なことの一つとして、「生活リズムを整える」ことをお伝えしています。今は保護者がいずれも働いていることが多く、大人の生活リズムに子どもを巻き込まざるを得ない状況が少なくないかもしれません。その結果、子どもたちに何らかのSOSサインが出て、相談を受けることがありますが、お話を伺ってみると、お仕事の環境が変わって忙しくなり子どもとの時間が減っていたり、仕事の疲れからパートナーとの関係が上手くいかず、ついついイライラしがちになっていたりと、ご自身のリズムが崩れてしまったことが要因の一つになっていることがよくあります。つまり、大人は意外と変化に適応するのが得意ではないということなのかもしれませんね。
『子どもが持つ“素を直す”力とは?』
では、少し場面を切り替えて考えてみましょう。
幼児期の子どもたちが、なんだか嬉しくて飛び跳ねてしまったり、楽しい気持ちが溢れ出てお友達と騒いでしまうといった場面がよくありますよね。でも、場所やタイミングをみて大人が「止めましょうね」といえば、たいていはその瞬間止めることができます。また、動くことが大好きで、積み木やお絵描きに集中することが苦手な子も、読み聞かせなどの時間を重ねていくと、段々と集中できるようになっていきます。そんな姿を見ていると、やはり子どもたちはとても“素直”で、変化に対し柔軟なのだなと感じます。自分が感じていることや思っていることをストレートに表現することが上手な子どもたちですから、大人の働きかけによって“素を直す”ことも、自然なことなのかもしれませんね。もちろん中には、なかなか自分の思いを表現できなかったり、素直になるのに少し時間がかかる子もいますが、そこはまさに周りの大人の様々な言葉かけや働きかけにより、安心感を得られれば、どんどん表現も豊かになり、“素を直す”力もつけていけるような気がしています。
『いつでも人は変われると信じること』
様々な制限が強いられる今、子どもたちへの影響やストレスなど色々と語られていますが、一方で、子どもたちの方が変化に適応しようとする柔軟さは、断然勝っているのではと思います。大人はいつもと違う状況にすぐに順応できないことが多いですし、自分でも分かっているけどなかなか変えられないと諦めてしまうこと、ありませんか?
アメリカを代表する哲学者・心理学者の一人であるウィリアム・ジェームズ(William James/1842-1910)は、『心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。』と言っています。もしかしたら、大人は変われないのではなく、素直になることを忘れてしまっているだけかもしれませんね。
こんな時だからこそ、瞬間を楽しみ満喫する子どもたちに倣って、一度“素を直す”ことを意識し、「変わる」ことを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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山本 直美 プロフィール株式会社アイ・エス・シー 代表取締役/NPO法人子育て学協会 会長
- 日本女子大学大学院修士課程修了。
幼稚園教諭を経て、1995年株式会社アイ・エス・シーを設立。幼児教室や保育園運営を通じ25年以上保護者と子どもの育ち合いに携わっている。絵本を活用した独自の教育プログラム『WithBookプログラム』を、自社を中心とした各保育園にて展開し、子どもたちの「こころ」と「ことば」を育んでいる。また2008年設立のNPO法人子育て学協会にて、子育ての専門家『チャイルド・ファミリーコンサルタント(CFC)養成講座』や子育てのヒントを学べる『子育て学講座』等、各種講演・講座を開催している。
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