ママフル365コラム 「子どもを育てる」ということ
新しい年も明け、あっという間に1ヶ月が過ぎました。年末から年明けには色々と行事も多く、忙しくしている間に時間が過ぎてしまい、気がついたらもう節分…なんて思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
みなさんは2022年はどのような年にされたいですか?子どもがまだ小さいうちは、パパママも日々子育てに一生懸命ですので、1年の節目を味わう余裕がなかった方も多いかもしれません。
今回は「子どもを育てる」ということについて改めてみなさんと一緒に考え、ご自身の子育てを少し振り返る機会にできればと考えています。
『子育てはそもそも大仕事』
子育てに関する検索キーワードは、「疲れた」「しんどい」が圧倒的に多いそうです。子育ては今まで知らなかった楽しいこともある一方で、大変だと感じることも多いですよね。第一子の子育ては特にそうです。第一子の場合は、自分が親になることが初めてですし、家族の環境に大きく変化が起こるタイミングです。我が子が産まれてくるまで、身近に乳幼児がいない場合がほとんどですから、戸惑うことが多いのも当然ですよね。第二子以降になると、子育てそのものには慣れてくるものの、子どもたちのお世話に加え、行事が重なったりして日々慌ただしくなります。ましてや、家事もして、仕事もしてとなれば、疲れない人はいないですよね。そのような中、少しでも子育て期を楽しいと感じる時間を増やすためには、自分がいっぱいいっぱいになる前に、あらかじめ想定をして、パートナーや近くにいるご家族と相談しながら、お互いの状況で協力・分担できることを確認しておくのも一つの方法かもしれません。より体力があるパパに率先して保育園の送り迎えをしてもらう、曜日ごとにパパママ交代で家事を担当するなど、ご家庭のその時の状況に合わせて工夫できるとよいと思います。
『子育て環境の変化について』
今は便利なグッズやアプリもありますが、子育てはいつの時代も大変です。ただ、自分たちの親世代に話を聞いてみると、「イライラした」とか「もっと自分の時間がほしかった」という話はあまり聞かないような気もします。もしかしたらワーキングマザーの割合が少なかったせいかもしれませんし、子どもが手離れしてしまうと大変な時期を忘れてしまっているのかもしれません。
ただ、当時と今では、子育てをする環境に大きな違いがあるような気がしています。昔は、もっと近所の子どもたちが年代を超えて遊ぶ機会もあり、年上のおにいちゃんやおねえちゃんが色々なことを教えてくれたり、近所の大人たちが分け隔てなく叱ったり見守ったりしてくれていました。
では現代のように核家族化が進み、共働き世帯も増える中、できることはどんなことでしょうか。
私たちは、子どもにとって、母、父、兄弟姉妹、友達、他人、親戚、夫婦関係の人的パイプ(関係性)をバランスよく整えることが大切であること(「7つのパイプ」理論)をお伝えしています。要するに、子育ては親だけがするものではなく、保育園の先生やお友達のご家族、ファミリーサポートの方やシッターさん、地元の行きつけのお店の店員さんなどとも良好な関係を築き、子どもたちを囲む周りの人たちみんなで見守り育てていくという考え方です。ただ、今は誰とでも繋がるにはハードルの高い世の中ですし、コロナ禍で沢山の人と接することも難しくなっていますので、実際に接する機会が作れなくても子育てをするのは親だけでなくてもよいという気持ちで、自分の肩の荷を下ろしてみてはいかがでしょうか。特にお仕事を頑張ってしまうタイプの方は、子育ても同じように頑張って成果を出さなければと思っていませんか?子育てに正解やゴールはないですし、誰かに評価されるためにするものでもないですよね。自分も含め、子どもたちにとってどのような人的環境を整えられるかはとても大事なことです。
『子育ては社会みんなで、という考え方』
仕事でも子育てでも何かに悩んだり困ったりした時、このことは誰へ、これについては誰に、と相談する人を決めておくのもおすすめです。また、何かが起きた時だけでなく、普段から自分の環境や背景を理解してくれる人たちと関係性を築いておくことも大事です。とにかく話を聞いてほしい時、頑張ったねと言ってほしい時、アドバイスがほしい時…その時の自分の心のバイブスの近い人に話をすることは、自分自身を俯瞰し、冷静にとらえることができるいい方法だと思います。
私たち大人も人的環境を整えることを意識し、色々な人との関係性でつながるネットワークをもつことで、子育ては親だけのものではなく信頼できる誰かに頼ること、そして自分自身の心を穏やかに保つことが、子育てを少しでも楽しみ、心を軽くする秘訣なのではないかと思います。
これからまた年度末に向けた総仕上げや新年度の準備などで、リズムを崩しやすくなる時期です。子育てを自分だけのことと捉えず、自分の拠り所を作ることで社会みんなに育てもらう、そんな気持ちで楽しんでいただけたら嬉しいです。
- 山本 直美 プロフィール株式会社アイ・エス・シー 代表取締役/NPO法人子育て学協会 会長
- 日本女子大学大学院修士課程修了。
幼稚園教諭を経て、1995年株式会社アイ・エス・シーを設立。幼児教室や保育園運営を通じ25年以上保護者と子どもの育ち合いに携わっている。絵本を活用した独自の教育プログラム『WithBookプログラム』を、自社を中心とした各保育園にて展開し、子どもたちの「こころ」と「ことば」を育んでいる。また2008年設立のNPO法人子育て学協会にて、子育ての専門家『チャイルド・ファミリーコンサルタント(CFC)養成講座』や子育てのヒントを学べる『子育て学講座』等、各種講演・講座を開催している。
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