ママフル365コラム \保育園長のナルホド育児/「非認知能力」を考える(前編) 「非認知能力」ってなんだろう

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自分らしさを確立する子どもへの言葉かけの工夫

近年注目の「非認知能力」について、保育園の先生に教えてもらいました。
教えてくれた人:えがおの森保育園・せんごく 堤園長先生

非認知能力は「生きる力」

認知能力は、字が読めるようになる、計算ができるようになるなど、目に見えてその能力がわかります。一方、非認知能力は問題を解決しようとする力、情緒をコントロールしようとする力など、見ているだけではわかりにくいもの。成果が目に見える認知能力を伸ばすことは、大人にとっても達成感があるため、ついこちらを重視しがち。しかし、子どもの人生を大きな目でとらえるなら、「生きる力」である非認知能力の大切さをわかっていただけると思います。

生きていく力とは?3つの柱

私は幼児期の非認知能力には3つの柱があると考えます。

ひとつは「気づく力」。好奇心や感動する心、探究心がこれに当たります。これらは、非認知能力の成長のきっかけとなります。

もうひとつは「やりぬく力」です。失敗しても、どうしたらうまくいくかと試行錯誤する忍耐力や、折れそうな気持ちをコントロールする力、その子の自尊心とも関わってくる力ですね。

そして「人間を理解し関係を調整する力」です。生きていく中では自分とは違う考えを持った人にも興味を持ち、受け入れて理解することが必要。そして、その人と関係性を築く力が求められます。これらは大人になっても大切な能力なのです。

保育園で非認知能力を身につける

では、どうやって非認知能力を伸ばしたらいいのでしょうか? それは子どもの自発的な行動を大切にすること。誰かにさせられるのではなく、自分からやっていく中で育っていきます。園では保育士がフォローの声をかけながらも、子どもが自ら行動するのを根気よく待つようにしています。

「やってみたい!」気持ちを育てる

園では3歳児から給食当番を担当します。その時、4歳児、5歳児と一緒にグループを組みます。最初は補助的なことしかできませんが、年長の子どもの様子を3歳児はじっと見ています。すると「お兄さん、お姉さんのやっていることを自分もやってみたい」と思うようになり、自分から進んで動くことができるようになるのです。そのため、園では「異年齢保育(3歳児、4歳児、5歳児がひとつのグループで活動する時間)」がとても重要だと考えて実践しています。

子どもが悩み、考える体験を

子どもに知育玩具や知育パズルを与えている家庭は多いと思います。それは子どもが悩み、考える体験を通して、問題解決能力や忍耐力をつけて欲しいと考えるからではないでしょうか? その思いは園も同じです。違うのはそれらの力を人間関係の中からも身につけて欲しいということ。そのために、子ども同士がケンカを始めた時もすぐには止めずに、まずは見守ります。ケンカの原因を明確にし、相手の言い分も認めて、こちらの気持ちも伝える。まさに問題解決能力や忍耐力をつけるチャンスだと考えています。

「頑張ればできる」を積み重ねる

子どもは特に遊びの中で成長します。やる気、協調性、忍耐力、計画性など、遊びを通して身につくことがたくさんあります。子どもの頑張りを見守り、くじけそうな時は声をかけ、「頑張ればできる」という体験をたくさんしてもらいたいと考えています。そして、できた時はちゃんと認めてあげることで、子どもは満足感を得られます。大げさに褒める必要はありません。目を見て「あなたの頑張りを見ていたよ」とうなずいてあげる。この満足感は、その子の自己肯定感へと繋がっていきます。

学習指導要領も「生きる力」へ

平成30年度からは幼稚園で、平成32年からは小学校で、新しい学習指導要領が施行されます。文部科学省が作成したリーフレットには表紙に「生きる力」とあり、中ページでは「学びに向かう力、人間性」「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力」の3つの力をつけて欲しいと書かれています。これからは非認知能力に注目した教育が学校でも行われるということです。

これからも園では「生きていく力」を伸ばすためにも、子ども主体の遊びができる環境をさらに整えていきます。家庭でも、認知能力だけでなく、非認知能力のことも踏まえて、子どもと接してみてはいかがですか。

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