ママフル365コラム 【保育園長のナルホド育児】子どもの成長に合わせた服選び
教えてくれた人:千趣会チャイルドケア スーパーバイザー( えがおの森保育園・いの 元園長)
最近の子ども服は、多種多様で大人でも着てみたいと思うようなおしゃれな服や、ブランド品、オーガニック素材やシンプルで安価なものまで選びたい放題ですね。
乳幼児に関しては、体もすぐに大きくなりますので、1シーズン過ぎると小さくなって着られなくなってしまうので、高価なものはもったいない・・。
でもやはり可愛い我が子には、センスの良いものを着させてあげたいなど、悩みますよね・・。
今回は保育園での生活の中から活動的な乳幼児期に安全で動きやすく、そして着脱がしやすい衣服選びと、成長するにつれ、自分から衣服選びを行うお子さんとの関り方などアドバイスして参ります。
動きやすくて着脱しやすいものとは?
〇 素材:柔らかく汗の吸収の良い伸縮性のあるもの。
〇 上衣:少しゆったりめなTシャツ・トレーナー
〇 下衣:ズボンはウエストがゴムになっているもの(スパッツ)
〇 ロンパース:仰向けで寝た時に心地が良いように背中、おしりに飾りのないもの。ファスナーなどは体を傷つけてしまうこともあります。⇒ハイハイができる頃になったら上衣・下衣のセパレートへ移行するとよいでしょう。
〇 肌着については、長袖ではなく半袖かランニングの方が動きやすいです。夏に関してはTシャツ1枚でもOK!ただ冷房の効いた部屋では、上着を羽織るなどして調節をしましょう!
× デニムのジーンズ⇒伸縮性がないので、動きの妨げになり、ゴワゴワして着にくい。
× ボタンがたくさん付いていたり、ファスナーがあったりする服⇒やることが増えて“自らのやる気”がそがれてしまいます。
× サイズが小さいもの⇒着脱が難しい、動きにくい。
安全について(保育園では、着脱を控えて頂いているもの)
× 大きすぎるもの⇒袖が長いと手洗いや遊ぶときに邪魔になる。ズボンの裾が長いと踏んでしまい、ケガにつながる。
× スカート⇒足が出ているので、転ぶとケガにつながりやすい。スカートの時は、パンツが見えないように必ずオーバーパンツを履くようにしている。
× フードや紐付きのもの⇒首に引っかかると窒息の危険がある。
× ボタンやビーズ⇒誤飲の危険性がある。
ジェンダーレス
〇 かつて、女の子は赤・ピンク、男の子は青、黒など固定観念のようなものがありましたが、現在は個性が尊重される時代です。性別に関係なく、好みや似合う色や柄など自由に選んでセンスを磨いてください。
着脱や排せつに興味を持ち始めたら
〇 1歳児後半くらいから保育園では、着脱の練習をしていきます。自分で着てみようとする姿が見られたら、間口が大きく着脱しやすいものを選びましょう!まずは、靴下やズボンを脱ぐところから、一つ一つ丁寧に一緒に進めていくと良いでしょう。できないからと焦る必要はありません。
〇 2・3歳児頃になると自分で排泄ができる時期になってきますので、ズボンは自分で下ろしやすいものにすると良いです。
パンツは、お子さんの好みの柄などを用意するとトイレを嫌がる子も喜んでトイレに行くようになるかもしれません。
子どもにとっての服選びとは
〇 大人がよかれと選んだ服でも成長するにつれ、子どもは嫌がって自分で選びたいと言うようになる時期があります。
4、5歳児になると園では服の組み合わせや気温を考えて衣服を選ぶように促していきます。
はじめは上下のバランスが悪かったり、厚着・薄着をしたりなどありますが、色柄の組み合わせに関しては、お友だちに言われたり、薄着などは外に出て体感することで気づきがあります。そのような経験を通して自然と自ら考えて適切なものを着ることができるようになってきます。中には、冬でも半袖を貫き通したいお子さんもおりますが、私たち保育者は、本人の気持ちを尊重したり認めていったりしています。(あまりにも寒い日は、自分で長袖を着ています(笑))自分自身の意思で着替えをすることで、主体性が育ち自信となっていくようです。
特に季節の変わり目は調節しやすいように、厚手、薄手、半袖、長袖等色々な種類を用意してもらうようにしています。
園では、子どもが迷っているような時に、こちらから「お外に行くからジャンパーを着なさい」等とは言わないようにしています。「今日は寒くなるみたいだけど、どうする?」等TPOを考えられるような投げかけをして、“散歩の行きかえりは、寒いからジャンパー着ようかな”“遊んでいると暑くなるからいらないかな”等判断できるようにしています。そうしたことで、子どもの主体性を伸ばしていかれれば・・と思います。
服選びだけでも、こんなに子どもの成長を促すことができるのです。指示をするのではなく、気象状況や遊びの状況、体調などを子どもと話し合ったりして、子どもが自ら考えて行動できるように関わっていき、認めてあげることで、自信が付き「自己肯定感」が育まれます。
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