ママフル365コラム 子どもの状態・性質をどう見るか
子どもの状態・性質をどう見るか
今年の夏休みは今までの夏休みとは色々と変わるかもしれませんね。せっかくの夏休み!とレジャー施設に連れていくにも気を遣ったり、行きたい場所が開放されていなかったりということもあるかもしれません。小学生以上のお子さまをお持ちのご家庭では、休校中の補講授業などでお休みの期間が短くなることもあるかもしれません。
それぞれの過ごし方があると思いますが、毎年夏休みをどう過ごすか、は皆さんのご家庭ではだれがどのように決めていますか?家族でのイベントなどを決めるシーンというのは、“家族を創る”上でとても活用しやすい場面です。子どもが小さくても、「はい、じゃあ次、〇〇ちゃんはどう思いますか?」などと一人前に扱って発言を促したり、大人も自分の気持ちや意見を言う場を日常で持っていると、思春期や反抗期などの時にも比較的対話ができる親子関係を築くことができます。これからは本当に色々と予測のつかないことが起こり得るでしょう。そんな時に、正解はわからないけれど、お互いの気持ちや意見を出し合える状態をつくっておく、というのは親としても子どもとしても心強いものです。
性質とは何なのか
パパママから受ける相談の中で「この子らしさってどういうものなんでしょう?」と尋ねられることがあります。
その子らしさ・性質とはどういうことでしょうか。
性質というのは人間だけに使う言葉ではありません。自然にあるものにも使います。例えば、野菜には野菜それぞれの性質があり、小松菜と人参では性質が違います。また、同じ木でも生えている場所や育て方によって性質は異なります。宮大工さんなどはこういった一本一本の木の特徴をとらえ、この建造物を作るにはどの木をどのように活用すればいいのか、ということがわかるそうです。まさに「適材適所」ですね。
子どもの性質
夏休みをどう過ごすか、どこに行くか、ということを考える時も、「この子が○○が好きだから□□はどうだろう?」というような会話が出ることがあるかもしれません。この時の「〇〇が好き」というのはその子の特性の一つであり、好きな理由や、好きなものにどのように向き合っているかといったことで、“その子らしさ”が見えてきます。
ただ、”その子らしさ“を知るには、「見る側」である我々大人の心身状態も影響することがあるのです。
例えていうならば、目の前にある山を、そのふもとにある湖の湖面を通してみるようなものです。湖の水が波打っていると、正しく山の形は映し出されません。そして慌てて湖に手をあてると…あてればあてるほど波立ってしまいます。
とはいっても、小さい子どもがいる生活で心静まる瞬間なんてそうそうないよ、というのが現実だと思いますので、いつもこの状態を保ちましょう、なんてことは言いません。
ただ、自分の心が静かに落ち着いている時に初めて見える姿もある、ということは少し頭の片隅に置いておいてくださいね。
夏休みでやれるといいこと
冬の終わり頃から、想像もしていなかったことの連続で、その都度生活を立て直したり、様々な気を遣ったりして、なんとか乗り越えてきた毎日だったのではないでしょうか。
そんな中で迎える夏休みに是非やっていただきたいのは、これを読んでいるみなさん、パパママがまずはほっとできる時間や場所を作って欲しい、ということです。
遠くに行ったり、非日常の経験をさせてあげたり…そういうことをさせてあげたいという気持ちはとても素敵なことだと思います。もちろん心身に余力があれば是非実行に移してください。
でも、なんだか疲れたな、なかなか計画を立てる気になれない…という場合は無理をせず、まずは大人が静かな湖面となれる瞬間を獲得する時間にされてはいかがでしょうか?
心身が満たされていて落ち着いている大人が身近にいる、それだけでも子どもにとてもよい影響を与えるということを知って、そのような選択肢も是非積極的にとってもらえたらな、と思います。子ども達は近所のダンゴムシやお花でも十分に刺激を受け、楽しむ力を持っています。普段は見られない近所の景色を共に楽しみ、一緒に思う存分昼寝をする、そんな夏休みがあってもいいな、と思います。
- 山本 直美 プロフィール株式会社アイ・エス・シー 代表取締役/NPO法人子育て学協会 会長
- 日本女子大学大学院修士課程修了。
幼稚園教諭を経て、1995年株式会社アイ・エス・シーを設立。幼児教室や保育園運営を通じ25年以上保護者と子どもの育ち合いに携わっている。絵本を活用した独自の教育プログラム『WithBookプログラム』を、自社を中心とした各保育園にて展開し、子どもたちの「こころ」と「ことば」を育んでいる。また2008年設立のNPO法人子育て学協会にて、子育ての専門家『チャイルド・ファミリーコンサルタント(CFC)養成講座』や子育てのヒントを学べる『子育て学講座』等、各種講演・講座を開催している。
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