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ママフル365コラム 子どもの「理解」と大人の「実践」

子どもの「理解」と大人の「実践」

桜が散ると春が半分終わったような気分になり、夏の緑が映えるように雨の季節がやってきたなと思います。もちろん個人差はありますが、子ども達が春夏秋冬という季節を理解できるのは、年中から小学校1年生頃と言われています。大人でも1年前の出来事を思い出すのが難しい時もありますよね。それを子どもが覚えていて、次にどういう季節がくるかを予想して、抽象的な“季節”という概念を理解するには、いくつものステップがあります。季節ならではのイベントや経験を何度も重ね、理解し実感していく、そんな風に考えると改めて子どもの成長を見守り、ともに年月を重ねていくことが愛おしく感じられますね。

『理解』が先か、『挑戦』が先か

保育園や幼稚園に通っている子ども達は4月から新しい学年になって、少なからず新たな刺激を受けているのではないでしょうか?
新しい出来事や物から様々な刺激を受け、吸収し、学んでいく子ども達ですが、その学びのステップは大人と違うことが多いかもしれません。
大人は新しいことを学ぶ時、自ら『学ぼう』と思い、学ぶ対象のことを『理解』し、そして『実践』していきます。『実践』してみてうまくいかなかった時、自分で試行錯誤することももちろんありますが、情報収集をしたり、他者から解説や指導を受け、『理解』と『実践』のGAPを埋めていきます。
一方、子どもは、“学ぶ”という概念をなんとなくでも理解できるようになるのが4~6歳くらいでしょうか。
子ども達は学ぼうと考える前に、目の前にあることを観察し、それを『理解』するために色々『挑戦』してみることからスタートします。そして、まだ言語を獲得していない年齢においては、その挑戦自体も意識せずにひたすら繰り返します。そのうちに、どうやらこう動くとこうなるらしい、こうすると周りの表情がこうなる、こうやってみるとこんな声が出る、という『挑戦の実践』を無数に積み上げていき、何度も繰り返すことによって「パパ」「ママ」という音を発するようになり、それが自分の身近な人の呼び名で、呼ぶと周りの人が笑顔になる、という色んな『理解』が紐づいていきます。

理解と実践のGAP(ギャップ)

大人の『理解』と子どもの『実践』の間には大きな隔たりがある場面も多くあります。その隔たりが大きいと、時として大人がイライラしてしまったり、子どもを急かしてしまったり、先回りにつながったりすることもありますよね。子どもがまだ話せない時は明らかにそこにGAPがあることを大人も自覚できるのですが、言葉を話し始めたり、自分のことを少しやれるようになってくると、ついつい大人も子どもに対して『理解』出来ているはず、『実践』できるはず、という思い込みができてGAPがあることを忘れてしまいがちです。

身近な大人が『理解』の紐づけをする

子どもが『実践』にたどりつくには無数の『挑戦』の積み重ねが必要であること、その結果『実践』できたことには、『理解』の紐づけが必要であることをお伝えしました。

私が最後にお伝えしたいのは、その紐づけを身近な大人が一緒にやってあげられると、より子どもの『理解』が深く、そして早くなるということです。
「さっきクレヨンでいっぱい丸を描いていたね」「15分もずっと描いていてすごい集中力だね」「いろんな色のクレヨンを選べるようになったね」いわゆる事実を観察してそれを伝えるだけでいいのです。子どもなりに、自分が『実践』していることに対して振り返り、それをどういう言葉で表現するのか、『理解』につながっていく機会となります。親子の会話がより豊かになりますので、時間と心の余裕があるときはぜひ大人も実践してみてくださいね。

山本 直美 山本 直美 プロフィール株式会社アイ・エス・シー 代表取締役/NPO法人子育て学協会 会長
日本女子大学大学院修士課程修了。
幼稚園教諭を経て、1995年株式会社アイ・エス・シーを設立。幼児教室や保育園運営を通じ25年以上保護者と子どもの育ち合いに携わっている。絵本を活用した独自の教育プログラム『WithBookプログラム』を、自社を中心とした各保育園にて展開し、子どもたちの「こころ」と「ことば」を育んでいる。また2008年設立のNPO法人子育て学協会にて、子育ての専門家『チャイルド・ファミリーコンサルタント(CFC)養成講座』や子育てのヒントを学べる『子育て学講座』等、各種講演・講座を開催している。

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