ママフル365コラム 「評価」をしない子ども達から学ぶこと
4月は、春本番の訪れとともに、大人も子どもも環境の変化が大きい時期です。自分のいる場所や役割、周りの人たち、変化するものも様々であれば、ワクワクしたりドキドキしたり、人により気持ちも様々かと思います。また、環境が変わらなくても色々なことが新しくスタートする時期でもあります。そんな、大人にとっても子どもにとっても変化の多いこの時期に大事にしたいことについてお話をしたいと思います。
大人が見習いたい子ども達の順応性
大人はこの時期、色々なストレスを感じることが多いのではないでしょうか?自分の意志とは異なる変化を受け入れなければならないこともあるかと思います。お仕事であれば初めての相手でも話をしなければならないですし、恥ずかしいなど言ってられませんよね。個性ができあがっている大人は、新しい環境に慣れるには意外に時間がかかりそうです。では、子ども達はどうでしょう。
子ども達は一般的に順応性が高いと言われますが、それなりにストレスを感じやすい時期でもあります。新学期によくみられる場面としては、周りのお友達が変わっても「一緒に遊ぼう!」と自然に話しかけられる子もいれば、なかなか輪に入れず一人離れたところで様子を見ている子もいたり・・・でも、たいていの子ども達は、大人が少し言葉をかけ、一緒に遊ぶきっかけを作ってあげれば、いつの間にか楽しく遊ぶようになり、仲良くなるのにそんなに長い時間はかかりません。子ども達は環境の変化に対して、大人よりも柔軟に対応できると言えるのかもしれませんね。そんな時子ども達は本当に素直だなと、少し羨ましくなることもあります。
まずは「知る」ことから
子ども達が新しい環境で行う興味深い行動で「探索活動」というものがあります。周りの環境が変わった際にトイレがどこにあるか?この扉の先に何があるのか?と全体を把握するような行動は、特に2~3歳でよく見られます。また、もう少し大きくなってくると、その子なりに新しいお友達や先生と信頼関係を築けるか?試してみる姿も見られるようになります。
子ども達の環境変化に伴い、お友達のご家族や先生など、保護者にとっても関わる人が変わってきます。そんな時、みなさんはどのように対応するでしょうか?自分から声をかけて挨拶をしますか?それとも少し様子を見て観察するでしょうか?もちろん気軽に話しかけられる人もいれば、人見知りの方もいると思いますが、環境が変わった時こそ少し勇気をもって、自分から話しかけてみると、それを機に分かることが増えていくと思います。相手をよく知らずに見ているだけで、不安に思ったり、モヤモヤしたりするのは大人にはよくあることですが、後になって相手をよく知ることで解決するケースも多くあります。
「評価」の代わりに「知る」こと
大人は色々な経験がある分、事実を知る前に観察して、「ああかもしれない・・・」「こうなんじゃないか」と想像を巡らし、ドキドキ、ソワソワすることがありますよね。一方、子ども達は経験が少ない分、相手を「評価」することなく、自分たちなりに順応しよう、知ってみようとします。まずは「知る」ことから始める、そんな子ども達の素敵なスタンスを見習って、考える前に色々なことに一歩踏み出してみてはどうでしょう。
自身の上司や同僚が変わったり、子どもの担任の先生や関わるお友達のご家族が変わったりしたのであれば、まずは相手を「知る」ことで、新しい人との繋がりや価値観に出会うことがあるかもしれません。ドキドキ、ソワソワするこの時期は、新しい自分と出逢いワクワクに変えるチャンスです!それぞれのスタートがワクワクでいっぱいの楽しい日々でありますよう、心より願っています。
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山本 直美 プロフィール株式会社アイ・エス・シー 代表取締役/NPO法人子育て学協会 会長
- 日本女子大学大学院修士課程修了。
幼稚園教諭を経て、1995年株式会社アイ・エス・シーを設立。幼児教室や保育園運営を通じ25年以上保護者と子どもの育ち合いに携わっている。絵本を活用した独自の教育プログラム『WithBookプログラム』を、自社を中心とした各保育園にて展開し、子どもたちの「こころ」と「ことば」を育んでいる。また2008年設立のNPO法人子育て学協会にて、子育ての専門家『チャイルド・ファミリーコンサルタント(CFC)養成講座』や子育てのヒントを学べる『子育て学講座』等、各種講演・講座を開催している。
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