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ママフル365コラム 【保育園長のナルホド育児】先の見通しを立てる事、ルーティンの大切さ

【保育園長のナルホド育児】先の見通しを立てる事、ルーティンの大切さ

毎日の行動をルーティン化させると、子ども達は先の見通してを立てた行動ができるようになるそうです。

ルーティンを決めると子どもが安心して自ら動くように

園では、食事の際には毎日、決められた自分の椅子に座る、エプロンをつける、お手拭で手を拭く、のように準備の手順を決めて行っています。こうやって手順をしっかり決めておくと、違う保育士が来た時でも同じ手順で準備をするので、子ども達は戸惑うことなく安心して過ごせます。これを続けていると、1歳児でも食事の前には自ら自分の椅子に座るようになります。そして、自分でエプロンをつけて、お手拭を使います。もちろん、まだ一人では上手くいきませんから、保育士がそっと手を貸す事もありますが「自分で出来たね」と頑張りを認めていきます。すると、保育士が大きな声で指示をしなくても、自ら自然と準備が出来るようになっていくのです。これはお散歩前の準備でも同じです。このようにルーティンを決めると、子ども達は次に何をするのかが分かるので、安心して行動できます。そして、この安心感によって、意欲や自信を持てるようになるのです。

「生活習慣のルーティン化」は家庭でも役に立ちます。例えば、朝起きてから保育園に行くまでの流れをルーティン化してみましょう。朝起きる、トイレに行って顔を洗う、服を着替えて食事をする…といった具合です。昨日は朝起きて服を着替えてから食事をしたのに、今日は食事が先だったとなると、子どもは混乱してしまい、親の指示があるまで何もしなくなってしまいますが、毎日の流れが同じで、それが習慣になれば、子どもが自ら行動してくれるので親も助かるのではないでしょうか。

毎日繰り返し、丁寧に伝える

とはいえ、入園した子ども達がすぐにルーティンを覚えてくれるわけではありません。毎日毎日の繰り返しが大切です。その際、保育士は丁寧に、なるべく短い言葉で声を掛けるようにしています。散歩の時なら「帽子をかぶろうね」「靴下履こうね」等と行動に言葉を添えて伝えていっています。その中で、子どもが自分から次の行動へと移った時は「出来たね」と声を掛けます。この時、大げさに褒める必要はありません。子どもにわかるように微笑みかけるだけでも良いのです。自分の事を大人がきちんと見てくれている。それがわかるだけで、子どもは安心し、自信を付けていきます。

また、子どもは何でもすぐに一人で出来るわけではありません。発達にあった保育士の援助が必要です。例えば靴下を履く際に、つま先だけ入れてあげると履けるのか、足首まで入れてあげた方が良いのか等、その子その子に合った援助をしていきます。それには保育士が一人ひとりの発達を丁寧に見ていかなければなりません。その為に、園では3歳未満児は担当制をしており、基本的な生活のルーティンが身に付くようにしています。

次に何をすればいいか、自分で考える

基本的な生活習慣のルーティンを身に付けた子どもは、3歳位からは、次の行動の為に、今何をすれば良いのかを考えるようになります。例えば、前もって時計を見せて「長い針が3の所にいったら、お散歩に行きましょう」と伝えます。すると、園内で遊んでいた子ども達は時計を見ながら、おもちゃを片付けたり、帽子を被ったり、水筒を用意したりするようになります。子どもなりに、お散歩までにこれをやっておこう、という見通しを立てるのです。お散歩に行く前のルーティンが身に付いていると、戸惑う事無く次の行動に移る事が出来るようになります。

「見通し」は心の折り合い

遊びに夢中になっている子どもに、突然「給食の時間です」と伝えても、給食の準備をしない事があるでしょう。“準備をする時間だけど、まだ遊びたい。”子どもも葛藤しています。そんな時、「給食を食べてお昼寝をしたら、また遊べる」という日々の流れがルーティン化されていれば、見通しを持って「まだ遊びたいけど、次は給食だから片付けよう」と心の折り合いをつけ、“おもちゃを片付ける”“片付けたら手を洗う”といった事が、自ずと出来るようになります。

この「見通し」は年齢が上がると時間的に先の事まで考えられるようになります。例えば、4・5歳児なら運動会等のイベントについて、前もって伝える事で、運動会までに何をすれば良いか?といった事を考えられるようになりますので、子どもに任せて見守っていきましょう。親や保育士が先回りして何でもやってしまうと、子どもは「どうせボク(ワタシ)が考えても無駄なんだ…」と思ってしまい、段々と自信を失っていく可能性があります。子どもが自分で考えて行動するのを周りが見守ってあげれば、自分は尊重されている、愛されていると感じて自信を持ちます。まずは、基本的な生活習慣をルーティン化して、次にやる事がわかる安心感を基礎として、子どもが自分で考えて動けるようにしていきましょう。

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