ママフル365コラム 子どもの大事な“きまぐれ”を応援する
時間が流れるのは早いもので、気がつけばもう師走。1年の最後の月となりました。
あっという間ではありましたが、実りの秋、みなさんはどのように過ごされましたか?葉の色が変わり、肌にあたる空気も冷たくなり、店頭にはぶどうや梨など美味しいものが沢山並び、子ども達の五感を育む機会もたくさんあったと思います。また、運動会や発表会などのイベントを通して、それぞれの成長を感じた方も多いのではないでしょうか。
今回は、子どもたちの成長を支える1つとして、子どもの“きまぐれ”に付き合うことについて、大人にとっては少しチャレンジな視点でお話したいと思います。
夢中な時間が育む「想像力」「集中力」「探求心」
子ども達は、毎日の生活の中で沢山の「初めて」に出会い、一瞬一瞬を精いっぱい向き合って生きています。子ども達が初めてのモノやコトに出会った時の表情をぜひ注意深く見てみて下さい。目をキラキラと輝やかせて夢中になっているはずです。時にはもう十分だと大人に諭されても、「もうおしまいだよ」と怒られても、やめないことがあるかもしれません。でも、そんな時こそ、できる限り一緒に向き合っていただきたいと思っています。子ども達が大人の声かけを聞き入れられないほど夢中になっている時があるとすれば、それはまさに「想像力」や「集中力」、「探求心」を育んでいる真っ最中ということです。せっかくの瞬間を、大人たちがさえぎることのないよう、十分にやりきるまでやらせてあげてほしいと思います。大人にとっては試練かもしれませんが(笑)、子ども達が夢中になる表情や、つたない手元の動きなど、目に焼き付けておきたいほどの愛らしい瞬間でもあるのです。
日々の行動からキラキラを見つける
私たちは、『遊び』を4象限に分けてお話することがあります。
軸の一つは「外」と「内」、もう一つは「動」と「静」です。例えば、「外」×「動」であれば、かけっこや遊具遊び、「外」×「静」であれば、落ち葉拾いや砂遊びや虫探し、「内」×「動」であれば、お遊戯や手遊び、「内」×「静」であれば、お絵描きや工作など、子ども達の遊びはいずれかに当てはまります。自分の子どもがどの象限の『遊び』に夢中になっていることが多いか、考えてみるとよいかもしれません。また、子ども達は意図的に●●遊びをするわけではないため、幼児期は生活そのものが『遊び』と言っても過言ではありません。お手伝いや食事、身支度をしている時でも、子どもが目をキラキラさせ、夢中になっている瞬間があるものです。ぜひ日々の行動からそれを見つけ、応援してあげてくださいね。
その子の“らしさ”を見つける
これまでの日本の教育は、何でも適当にこなせるいわゆる“ゼネラリスト”を育てる教育が中心でしたが、「多様性」や「個の尊重」といわれるこれからの時代には、何かを突き詰める“スペシャリスト”も活躍の場は沢山あるでしょうし、活躍の幅も増えるかもしれません。どちらの人材も必要になっていくことでしょう。自分の子どもがどちらのタイプなのか、時間をかけてじっくりと見極め、その子の“らしさ”を尊重し、応援する、それが私たち大人にできる大事なことの一つではないかと思っています。
子ども達は、毎日新しいこととの出会いの連続です。時には最後まで集中力が続かず途中でやめてしまうことがあるかもしれません。ただ、子ども達にとって毎日の生活は興味津々なことに囲まれていて、目移り気移りするのは当たり前のことです。大人には中途半端に見えますが、そんな時こそ大人の声かけでその先に興味を見出すことができるかもしれません。途中で手放しても興味のあることには何度も戻ってきます。ぜひ子どもが自分で満足するまで付き合い、そして、その子が“ゼネラリスト”なのか“スペシャリスト”なのか見極め、最強のサポーターになってあげてほしいと思います。
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山本 直美 プロフィール株式会社アイ・エス・シー 代表取締役/NPO法人子育て学協会 会長
- 日本女子大学大学院修士課程修了。
幼稚園教諭を経て、1995年株式会社アイ・エス・シーを設立。幼児教室や保育園運営を通じ25年以上保護者と子どもの育ち合いに携わっている。絵本を活用した独自の教育プログラム『WithBookプログラム』を、自社を中心とした各保育園にて展開し、子どもたちの「こころ」と「ことば」を育んでいる。また2008年設立のNPO法人子育て学協会にて、子育ての専門家『チャイルド・ファミリーコンサルタント(CFC)養成講座』や子育てのヒントを学べる『子育て学講座』等、各種講演・講座を開催している。
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