ママフル365コラム 『目標』は『目的』を達成するまでの階段
新しい年が明けて早くも1ヵ月、年末年始のバタバタも少し落ち着いて一息つく頃ではないでしょうか。ただ、そうしているうちに、あっという間に年度末がやってきます。幼稚園・保育園・学校では、入学や卒業、進級があったり、お仕事では役割や勤務地が変わることもあったりと、日本では3月から4月に環境が切り替わる方が多いですよね。そんな時、達成したい『目標』を立てることもあるかもしれません。今回は、『目標』と『目的』について、少しお話をしたいと思います。
『目標』と『目的』の違い
少し前のお話になりますが、昨年はサッカーのワールドカップがありました。どの国が優勝するのか、世界中の人が固唾をのんで見守っていたと思います。そんなサッカーも、今や男の子の習い事ランキング上位に入っていて、Jリーグも当たり前に語られるほど、馴染みが深くなってきています。サッカーだけでなく野球や水泳、バレエなど、お子さんがスポーツを始めるきっかけはどんなことだったでしょうか。親や兄弟等、家族の影響だったり、オリンピックやワールドカップというイベントだったり、何か始める理由があったと思いますが、実はもっと先に、そのスポーツをやるゴールすなわち『目的』があるのではないでしょうか。例えば、団体競技であれば、協調性やチームワークなどを学ぶこともできるでしょうし、個人競技では忍耐力や集中力を養うこともできるでしょう。もちろんただそのスポーツが好き、という理由でも十分だと思いますが、技術や目先の勝敗が『目標』だとすると、もっと先に大きなゴールがあり、時間を重ねて色々な経験を積むことが、長い目で見た『目的』と言えるのかもしれませんね。
子ども達の頑張りを次につなげる言葉かけ
子ども達がスポーツや習い事に夢中になっている時に、みなさんはどのようにサポートをされていますでしょうか。例えば運動会でかけっこをしている子どもに「頑張れ~!」と声援を送りますよね。もし、思ったよりいい成績だったら「よく頑張ったね!〇等なんてすごいね、次もまた頑張ろうね」とか、または思った程にたどり着かない成績でも「よく頑張ったね、最後まで走れて偉かったね」など、その時の結果だけを評価するのではなく、次につながる言葉も添えることは、とても大事だと思っています。子ども達は常に一生懸命です。大人と違い力の出し惜しみをすることがないので、子ども達が精いっぱい頑張った時に、目先のゴールにだけ言及するのではなく、その先にまだまだチャレンジできるチャンスがあることを、きちんと伝えてあげてほしいと思っています。
『目標』と『目的』はセットで伝える
大人の私たちも、何か大きなことを成し遂げた後少し気が抜けたような気持ちになることがありますよね。でも、自分で、もしくは誰かに励まされ、それを機に今の結果に留まることなく次の目標を決めて、歩み始めることがあると思います。
子ども達にも是非、『目標』と『目的』をセットに伝えてあげてくださいね。
一生懸命練習をして発表会や試合に臨むことは大事、でも発表会や試合は好きなことを続けていくための通過点であり、1回1回楽しんで超えていけばいいものだと、そんな風に伝えてあげられたらと思っています。
大人の中にも、今目の前で起きていることに一喜一憂し、何をどうしたらいいか分からなくなり、やるべきことをストップさせてしまう人がいますが、今起きていることは次へのステップであり、クリアすべき『目標』であって、本来の『目的』は何だったのか?そんなことに意識を向けてみれば、また次への一歩も踏み出しやすいのかもしれません。
是非、新しい年度を迎える前に、子ども達の成長に便乗して、一緒に『目標』と『目的』を言語化しながら、今後を考える機会にしてみてはいかがでしょうか。
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山本 直美 プロフィール株式会社アイ・エス・シー 代表取締役/NPO法人子育て学協会 会長
- 日本女子大学大学院修士課程修了。
幼稚園教諭を経て、1995年株式会社アイ・エス・シーを設立。幼児教室や保育園運営を通じ25年以上保護者と子どもの育ち合いに携わっている。絵本を活用した独自の教育プログラム『WithBookプログラム』を、自社を中心とした各保育園にて展開し、子どもたちの「こころ」と「ことば」を育んでいる。また2008年設立のNPO法人子育て学協会にて、子育ての専門家『チャイルド・ファミリーコンサルタント(CFC)養成講座』や子育てのヒントを学べる『子育て学講座』等、各種講演・講座を開催している。
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